まだある漆喰の魅力

カビやダニに強い

木造住宅の相棒である漆喰には殺菌機能があることは化学者でなくても知っています。 アルカリ性なので有機物をこれでもかといわんばかりにどんどん分解する機能を 有しているので、細菌が快適に繁殖する環境には絶対にならないのです。 漆喰に大量に含まれる消石灰が細菌を育てないように作用しますから、漆喰には カビも生えにくいしダニも寄り付きません。 細菌類の天敵とも言えますから、漆喰の住宅は菌が少なくて人に優しいのです。 無菌状態ではありませんし病院ほど清潔ではありませんが、ゴミ屋敷と噂される ような住宅に比べればかなり上等な環境でしょう。 ゴミ屋敷には汚いゴミが散乱していてハエも飛びまわっておりキノコが自生して いることもあるほど菌のパラダイスなので、そこで生活すると体調を壊す人も いるほどの危険地帯です。 そんな屋敷と比較すること自体おかしな気はしますが、身近にあって細菌が大量 に繁殖している場所といったらここになるので仕方ありません。 とにかく菌類やウイルスを寄せ付けないのが漆喰なので、潔癖症でも安心して いられると評判です。 細菌が少ない住宅というのはそれだけで居心地のいいものですし、病気にかかり にくいので小さなお子さんや赤ちゃんのいるご家庭にも好まれます。 ただ漆喰であればいいので、特別なお手入れを必要としないこともいいですね。

湿度の調整

小さな穴がたくさん開いている漆喰は気候に合わせて湿気を吸収したり放出する ので、その空間を快適に保つ役割も持っています。 空気が乾燥していれば内部の湿気を吐き出して人が過ごしやすいように調整して くれますし、その反対にジメジメしていれば湿気を吸い込んで洗濯物が乾きやすい ように働きかけてくれるのです。 こうした湿度調整はエアコンのようなマシーンに任せることもできますが、電力 を使わない漆喰やごく普通の木造住宅も得意としています。 湿気が多いと結露が発生しやすくなりますが、それも同時に防止してくれます。 結露が多いとその部分が傷んでしまうので住宅の寿命が短くなってしまうことに 繋がる場合もあるのですが、それも未然に防いでくれるということです。 梅雨まっさかりに乾燥した空気を提供してくれるほどの性能はありませんが、 それでも極端な気候でなければなかなか過ごしやすい快適さを住民に与えてくれる のでありがたがっている方も大勢いらっしゃります。 乾燥に弱いという人は結構いますし、ちょっとしたことで喉を痛めてしまう人 なんかも都会には多いでしょうが、そんな人こそ住居内の空気を和らげてくれる 漆喰を積極的に採用すべきでしょう。 空間の緩和材のようなものですので、通常のクロスを使用している住宅と比べて エアコンを使う時間も少なくなるかもしれません。

清潔な白い壁

漆喰の放つ輝きは他の内装材では真似できないような独特の風味があります。 炭酸カルシウムの結晶が表面に散りばめられていくので、ビニールクロスが光を 反射するのとは違う次元の美しさがあるのです。 このカルシウムはどこからやってくるのか、新築で完成したばかりの住宅にはそこ までの輝きはないのですが、時間が経つにつれ大気中の二酸化炭素に触れている ところから炭酸カルシウムが発生していくのです。 無添加住宅の魅力に木材などが経年変化して表情を変えていくことを挙げる方が いますが、漆喰も少しずつ成長していくのです。 白色なのでそのうち飽きそうだといわれることもありますが、実際に共に生活を している人がそのような台詞を口にしたことを聞いたことありません。 漆喰ならではのズシリとした質感や風味は、長期間眺めていても飽きにくいので 半生を共にする住宅にはうってつけでしょう。 しかもどの漆喰も同じような出来栄えではなく、職人の腕前次第でいろいろな 表面になるのも面白いところかもしれません。 完成した既製品というよりも、生物といったイメージを強く感じさせるのも納得 してもらえるでしょうか。 のっぺりとした印象を最初は受けるかもしれませんが毎日見ていると少しずつ 表情を変えていくので、一週間おきに写真撮影をして記録していくのも愉快な試み になりそうですね。